そのアメリカの東アジア戦略の拠点とされているのが日本である。日本のタカ派が韓国との連繋を遠ざけ、有事法制を制定しアメリカの戦略を支持している。北朝鮮の戦略は金正日一人が決めているわけではない。ハト派もタカ派もいる。ハト派により経済開放が進められてきたのに、ブッシュの悪の枢軸宣言により、タカ派の瀬戸際外交が台頭してきた。北朝鮮に拉致された人の日本帰国には、ハト派が大きく関与していた。しかし、日本のタカ派が北朝鮮に帰国させず、北朝鮮ではハト派の信頼が損なわれ、タカ派が主流を握るようになったという経緯もある。北朝鮮がタカ派により日本に先制攻撃を仕掛けてくる、ということはまず考えられないが、アメリカもしくは日本が仕掛けたら、報復として武力戦争が始まる可能性は強い。 日本はアメリカの戦略にまんまと乗ることを選択し、グローバルファシズムの道を進んでいる。このこと、そして日本の役回りについて、日本市民社会全体が全く分かっていない。 (質疑応答・憲法について) 国連大学設置のときのあるエピソードがある。国連大学は世界中から研究者が集まる国連の機関で、国連憲章には思想・言論の自由が認められている。しかし日本の内閣法制局の役人が非常にまじめに、「日本国憲法は国民に言論・思想の自由は認めている、が、国民でない人には適用されない。なので、国連憲章により国連大学を日本に設置することは憲法違反だ」と主張した。まったくばかばかしい解釈で唖然としてしまった。結局、政府内でこの解釈は取り下げられたが、朝鮮大学校のことを警戒しているのがうかがえる。 -----------------といった内容であった。 少し追加としての情報で、日本は韓国との協調を第一義とするようにして、充分に問題の共有を計らなければならない。という視点も示されていた。 対談は、武者小路氏の「両氏による、言いたい放題何でも」有事立法という、戦争への助走はパネラーの口々から出ていて、昌吉は「憲法第九条は沖縄が貰う。そして沖縄は独立する。」との弁が印象的であり、日本には2つのトラウマがある。黒船来航で鎖国をやめたペリー・トラウマと、敗戦し進駐軍の占領下に置かれたマッカーサー・トラウマ。それらから目を反らさずに今こそその問題点に気づく事。日本の立場が、欧州と米の間に立つことができ、アジアの立脚点で和合をもたらす役割に目覚めなければならない。というもので、神山氏は「自分は映画監督なので、人の顔をよく見る。今の人の顔は戦前の人の顔に非常に似てきているのが解る。」と私も感じている、確実な有事からのこちらの日本は、アメリカの戦争へと引きづられるはっきりとした、変化として加速度がますであろう。 そしてその一見朝鮮半島の問題と言いながら、日本のタカ派(右翼)がその昔第二次世界大戦へと国民を動員していった、何も知らない知らされないまま情勢はいつのまにかそちらの方向で反対のしょうもなくなる、といった状況へと同じ道をたどるのだろうか。 やはり考えていたよりも、東京への全体に対しそしてこのつどいに参加し、状況への大変さとだからよけいに何とかしなければ、と思わせ元気になって帰ってきのだった。 '03.5.26(月)
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