劇団態変

態変メルマガ e-imaju


メールマガジンNo.118



             ・・・‥‥‥劇団態変メールマガジン‥‥‥・・・
■■■---------------------------------------------------------------------------------------■
■■   e-imaju                                            2011/08/31|No.118 ■■
■---------------------------------------------------------------------------------------■■■
     ・・‥ Web→ http://www.ne.jp/asahi/imaju/taihen ‥・・

 このe-imajuをお読み下さっている皆様をはじめとする多くの方々が支え
て下さり、実現の運びとなった韓国公演プロジェクト2の役者・スタッフた
ち本陣が、本日夕方、9月6日・7日の公演に向けて、韓国へと無事出発い
たしました。この公演への想いを旅立ち直前に綴った芸術監督・金満里から
のメッセージをお読みいただき、しばし韓国へと想いを馳せていただければ
幸いです。

◆----------------------------------------------------------------------------------------------◆
 ○TOPIC○ 『ファン・ウンド潜伏記 -朴璟琅 同行の新たな旅路-』
        韓国再演へ出発
◆----------------------------------------------------------------------------------------------◆

 今回のホール、南山国楽堂がある所ソウル市中区筆洞は、李御王朝時代の
始めの代(歴史のことは私はよく解らないが)の都の中心であった場所だ。
風水で良い場所なのかも知れないと思うぐらい、南山という山の周辺に広が
っている、旧都らしい上品な風格ある街並みだ。
 実は私はこの作品を創るきっかけの2度目の、”黄熊度(ファン・ウンド)
の勲章を追え!”の旅で、兄の縁でこの山の展望台下にある豪勢な焼肉店でご
馳走になったことがある偶然の場所。
 それだけこの南山は、展望台もあるソウル市内の観光地のようだ。

 その一角のホールのある場所はソウル市運営の一帯が公園であり、南山コル
韓屋マウル(ナムサンコルハノクマウル)南山通りの伝統家屋村、という意味
の名前が付いているぐらい伝統の建物が他にもあり中で昔ながらの竹細工や籠
作りの実演をやっていたりする。
 この伝統家屋村と命名されているが、入り口には王宮のような大きな門が優
雅に立ちはだかり、その門をくぐり中に入ると伝統的な大きな建物が二つぐら
いあって中は広い敷地なので、村という感じではなくこれが一つの王宮殿とい
う印象の方が合う。
 とても立派な気後れするほどの南山国楽堂のホールは、格式の高い伝統を感
じるが実は建てられたのが2007年、大衆向けの演劇やミュージカルなどの企画
公演や音楽・舞踊などの自主公演、共に伝統のものだけをやっているところだ。

 そこに『ファン・ウンド潜伏記』が朴キョンランさんによってそのホールで
やろうというのだから、かなりやはりこの作品は韓国の古典芸能を踏襲した本
格的なものに近いと理解されたものと思われる。
 私が何気なく幼い頃から金紅珠(母-キム・ホンヂュ)の古典芸能に触れてき
ているので、それは空気のように受け取っているが客観的にこの作品の趙博の
創作パンソリ然り、他に使っている金素姫(キム・ソヒ)さんのパンソリなど、
かなりディープな古典芸能の匂いがしているのは事実。
 そこに私の-サルプリ-へ、今回の舞台上では朴キョンランさんが私の後ろで紗
幕の奥で立ちサルプリを踊ろうと、朴キョンランさんの触覚を働かせたという
固城公演後の彼女からの申し入れである。
 『ファン・ウンド潜伏記』を初めて台本執筆していたのが丁度一昨年の6月
ぐらいであっただろうか。その稽古が始まる7月丸々私は1月間風邪で寝込ん
でしまい、稽古で演出は遠隔操作或いは8月に入ってからという酷さ。しかし
その間、余分な邪心は入れず黄熊度(ファン・ウンド)との語らいに充分楽し
める良い時間だった。

 今年3月にお陰さまで大成功に終えた今回の公演に繋がる、ソウル・固城公演
では固城という黄熊度の故郷までが到着点としてあった『ファン・ウンド潜伏記』
は、韓国で初めてお目見えすることもあり黄熊度、所謂私にとっての父性が大きく
あった。それに比べ今回の南山国楽堂での正式タイトル 男は旅に出た『ファン・
ウンド潜伏記 ‐朴璟琅 同行の新たな旅路‐ 』
は、母金紅珠が草場の影できっと喜んでいることであろうと思うと、やはり今回は
私にとってのこの作品は母との語らいが多くなる母性が強い作品になりそうだ。
 それもその筈、南山国楽堂は単なる伝統芸能の殿堂というだけでなく、韓国古典
芸能のその発展の裏にある苦渋の長い歴史を創り上げた祖への畏敬の念が込められ
ているのがその建造物にあるからである。
 そして私はまた今、風邪で今日出発というのに微熱まで出てきた。これも金紅珠
との充分な語らいの為なのかも知れない。

 本当に沢山の方々にこの企画は応援してもらって(「共実」を通し、激励のお言
葉もカンパも頂きました!)、9月6・7日の南山国楽堂 男は旅に出た『ファン・
ウンド潜伏記 ‐朴璟琅 同行の新たな旅路‐ 』 として再演という晴の機会を得られ
たと思う。
 こんなに有り難く嬉しい公演はない。一同、小躍りしながら軽やかに、荘厳な作
品へと成就させ、元気に帰国して参ります。
 皆様、有難う御座います。

金満里


・・・・・INFORMATON・・・・・・

 〈公演概要〉

  主催 
   韓国嶺南チュム文化芸術研究所/劇団態変
  男は旅に出た
  『ファン・ウンド潜伏記 -朴璟琅 同行の新たな旅路-』
  日時   9/6(火) 19:30~ 公演(1) 
       9/7(水) 19:30~ 公演(2)
  会場   ソウル・南山国楽堂
       ソウル市中区筆洞2街84-1(南山コル韓屋マウル内)
       tel 02-2261-0513~5
         地下鉄3・4号線忠武路駅4番出口 徒歩5分
  地図(南山国楽堂HPから) http://sngad.sejongpac.or.kr/gukak/location.asp
 チケット予約  嶺南教坊丁チュム保存会(ヨンナムキョバンチョンチュムポジョネ)
         事務局長   キム・ジョンミ 010-82-10-2289-5388
         助教     パク・ソンヨン 010-82-10-7102-0205
         日本語対応窓口 イ・ミヒ    010-82-10-9903-0773
 チケット料金  R席 5万ウォン(約3500円)
 S席 7万ウォン(約5000円)   ※障害者・高齢者は50%割引

 韓国公演情報は随時「態変韓国プロジェクトブログ」に掲載予定です。
 こちらも乞うご期待!→http://koreapj.exblog.jp/

・・・・・・・・・・・・・・・
編集後記
いつものことながらギリギリまで準備を整えて、役者・スタッフ陣が旅立って行った
後の事務所は、まるで台風が過ぎ去ったようです。その嵐は韓国の舞台で作品として
姿を変え、より大きな波動と渦を巻き起こすことを信じて、また皆さんにもご報告で
きればと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・
劇団態変メールマガジン e-imaju
編集/配信:イマージュ
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路 1-15-15
tel/fax 06-6320-0344
email taihen.japan@gmail.com
・・ ・・・・・・・・・・・・・
無断転載・転送はご遠慮願います
配信/解除をご希望の方は
taihen.japan@gmail.com  まで
・・・・・・・・・・・・・・・


【閉じる】