メールマガジンNo.122
・ ・・‥‥‥ 劇団態変メールマガジン ‥‥‥・・・
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態変メルマガ★e-imaju 2011/10/29|No.122
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Web→http://www.ne.jp/asahi/imaju/taihen
10月14日~16日に上演の劇団態変新作『喰う』は、おかげさまを
もちまして大盛況の内に終了しました。今回のe-imajuはその報告特集とさ
せて頂きます。
○TOPIC○ 『喰う』公演、終了! 貴田雄介
○DIARY○ 『喰う』に取り組んだ、長い夏 キンジス・ハーン
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○TOPIC○ 『喰う』公演、終了! 貴田雄介
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2001年初演の『マハラバ伝説』以来10年間にわたり劇団態変は物
語性を軸にした作品に取り組んでまいりましたが、今回、抽象回帰の試み
をおこないました。これは、物語性という「額縁」の中で鍛えあげてきた
身体による感情表現の達成を更に先へと展開し、身体表現としての純粋性
を提示しようというチャレンジでした。ご来場いただいた皆様からは、こ
の更なる抽象への挑戦は概ね好意的に支持していただけ、早くも本作の再
演を期待する声を寄せてくださった方もおられます。
また本作では、二人の芸術家との出会いがありました。指揮者・作曲家
の伊東乾氏、彫刻家の塚脇淳氏です。
伊東氏からは、自身の作曲による楽曲をご提供いただいた上に、ショパ
ン、ベートーヴェン、バルトークなどのピアノ曲を、伊東氏自ら演奏してく
ださいました。塚脇氏からは、初期の作品の中から二作品を、今回の舞台
のために再び磨き上げご提供していただきました。伊東氏による音楽と、
ひたすらに叩くことで生み出された、鉄でありながらどこか暖かみを感じ
させる塚脇氏による鉄の作品群が態変の身体と相俟って、絵画的な世界を
つくり出していました。
劇団態変では、次回公演予定はまだありませんが、予定が決まり次第、
このメールマガジンでもお知らせさせていただきます。今後の展開に是非
ご注目下さい。
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○DIARY○ 『喰う』に取り組んだ、長い夏 キンジス・ハーン
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10月公演『喰う』での、新人役者・キンジス・ハーンです。
今回、最も心に位置づけていたことは、
(公演の成立に不可欠な)厳しいことにもあえて積極的に取り組む、とい
うものでした。
公演で考えさせられたことを以下に書いてみます。
(1)『動きすぎ!』 (動きの少ない中での“態変の身体”を)
この夏中、一番多く言われたのが、「平常心」の場面での、このダメ出し。
『喰う』冒頭の場面は、普段の自立生活で、束の間、日常介護から離れて
ひとりで居る時間がモチーフに。
確かにこの時はいつも、動物園の爬虫類館のトカゲみたいにあまり動いて
いません。
それなのに初期の稽古では、動きが少ない中での身体表現を理解しようと
せず無駄な動きばかり。
このダメ出しの甲斐あって、本番では数人のお客様から、この場面の“少な
い動き”についてご好評をいただけました。
(2)『ぼくは素人とは一緒に仕事しないからね』(舞台への“怖さ”)
リハーサルの演奏中に態変スタッフのミスが起こった時、伊東乾さんから。
稽古に明け暮れた夏中、エキストラの時にはなかった重苦しいものがずっ
と心に。それは素人に近い新人役者がプロの方と同じ現場でモノづくりを
している…という“怖さ”でした。
その疑念の正体をこの言葉でも気付かせて頂いたのですが、劇場への毎日
は逃げ出したい気持ちでいっぱい。
でも、土壇場で“怖さ”を心底感じたことで、良い緊迫感で臨めたのかも。
(3)『集中力が散漫になってるで』 (新たな態変用語→“汗ばみ”)
劇場入りの日、楽屋・幕袖の冷たく乾燥した空気にやられて発熱しました。
動きにくい筋ジス障害者の上に病弱な、自分の発熱・風邪は時に命取りに。
ダメ出しの直後、口にマスク、坊主頭にニット帽レオタード姿に毛布・・・
何とか執念の復活。
楽屋での過ごし方が舞台を左右することを身を持って。また本番直前の幕
袖では、重度の役者はギリギリまで頭から毛布を引っかぶり、汗の出やす
い状態で舞台に…というコツも。
“抱え”“引きこみ”といった態変ならではの動名詞に、“汗ばみ” という言葉
も追加すべきです。
以上、3つのダメ出しの言葉を軸に今回の公演をふりかえってみました
大好きな夏が最高に充実していました!ありがとうございました!
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編集後記
公演が終わって間もない10月22日、態変事務所では「日韓障害者恋愛
映画対決」と題した映画鑑賞と討論の集いをおこないました『オアシス』
(2002年・韓国)と『ジョゼと虎と魚たち』(2003年・日本)の
連続上演に続く討論会では、普段は聴けないような話も飛び出し、おもし
ろいひとときとなりました。今後、態変では単発のイベントも企画してい
ます。このような企画につきましても、メルマガでお知らせさせていただ
きます。
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