金満里(劇団態変・芸術監督)による、パフォーマンス開会挨拶
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去年の3月2日にこの企画を初めて行いました。その時は、アメリカのイラク攻撃が始まるかもしれないというような、止むに止まれる気持ちで発信しました。しかしその後すぐ、3月20日にイラク攻撃が始まってしまいました。 今年、2月3日に日本の自衛隊の本隊がイラクに行く、というイラク攻撃に直接関わることをしてしまいました。 そして、アメリカはハイチに2個目の侵略を3月1日に行なっています。それはアメリカがどんどん他の国に侵略し占領するというほんの始まりであるように思います。そのことを踏まえると、とんとん拍子で進んでいった自衛隊派遣に対してあたりまえのことと受け止めてしまっていいのでしょうか。そのことに対して、まだ声を上げるのは間に合いますし、そのことをもっと考えていかないといけないように思います。 日本の情勢でいうと、2つの大事なものが変えれようとしています。一つは、一番の民主主義の根幹であり、戦争放棄を謳う憲法9条です。この夏に行われる参議院選挙を踏まえて、自由党、民主党は憲法改正を表明しています。ほんとにそれでいいのですか。もう一つは教育基本法です。これは戦後絶対に手をつけてはいけない、日本の戦争責任の反省であり、日本が一生懸命考えた民主主義の結果であります。まさにこの重要な2つが変えられようとしてます。 今はまだデモができたり、反対を表明できますが、私たちがもっとも危惧していたのは、今日までにイラクで自衛隊が死んだらどうしようということでした。サマワの駐屯地にテロされたら一気に大量に死んでしまいます。そういう事態は毎日毎日私たちの生活の中で日一刻と危機がせまっていることを考なければいけません。 「表現する徹底非暴力の反戦」は、今回で4回目になります。金曜日が討論会、土曜日が上映会、今日がメンイで3日間の企画です。私達は状況を待っているだけではないでしょうか。何かやられるとか不安はありながらも向こう(国など)が大きな力が動くまで待っているのではないだろうか。そう感じたとき、無力感やなさけないとさえ思います。人間は待つことだけで生きてはいません。待たずに、嫌だ!とか、嫌だけではなくどうしたいんだ!ということを自分の発想に自信を持って表現していってもいいのではないでしょうか。 日本は反戦を表現するのに危機的な状況といっても良心的な人はいっぱいいます。しかしもし自衛隊がイラクで死んでしまったら、すぐにでも右翼が集会を開き自衛隊の死を美化するでしょう。スペインでは1100万人のテロ反対の追悼の集会がありました。今回の「表現する徹底非暴力の反戦」のデモでは100人集めるのに必死で何とか95名集まる状況にあり、あっという間に右翼の集会が起こってしまう状況にいつでもあります。 今回のことをきっかけに、それぞれが負けないで声を挙げることを真剣に考えていかないとえらいことになります。このままでは日本は軍国主義になっていくではないでしょうか。 そういうことを考えながら、いろいろ表現をやっていきます。 2004年3月14日
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