緊急企画

2月4日~5日 伊丹AI・HALL

一世一代福森慶之介 又、何処かで


 劇団旗揚げ以来の古参役者・福森慶之介は、9月韓国公演の頃より右腕の不自由を主体とした体調不良が目立ち始めておりましたが、精査の結果右上肺部分に腫瘍が見つかりました。しかし生命予後にはただちに危険な状態ではないとのことです。
 福森としては療養に専念しつつも、74歳の高齢障害者である所以、福森の身体表現の真価を存分に発揮した舞台ということになると、観ていただくチャンスを先送りはできますまい。
 事態は急を要する。
 ということで各方面に無理を聞いてもらい、2月初頭に緊急企画公演を打つこととあいなりました。

 以下、12月中旬より入院して病勢コントロールとリハビリに励んでいた福森からのメッセージ(2011/12/25記)。
「今回の『又、何処かで』の舞台は劇団態変の老優福森慶之介の最後の奮闘公演となるやもしれず、病床一尺ダイオードの灯の下に携帯を叩き、皆さまへのご挨拶を打ち込んだ次第!何卒、お見落しのありませんようにお願いいたします。」

 福森は1月3日には病院より一時外出で「又、何処かで」の初回稽古に参加。
 稽古立ち上げに当たっての福森の挨拶:
「福森、ここにあり、というような、こういう役者もいた、と、人の記憶へ食い込むような、演技をしたい。それから、態変の危機、ということがあり、もちろん自分もできるかぎり共に戦いたいと思うが、今回の公演が、その力添えになるのなら、こんなに嬉しいことはない。」

 1月6日には無事、退院しております。


病中癌察も表現のうち

福森慶之介

 からだの調子は右側の胸や背中にダルさ90%痛さ5%カユミ5%というところ。
 横になってると背中のダルさが倍増する。深い眠りの後がダルさが強くてつらい。
 ベッドを替える必要がありそうだ。

 このところ、福森が探している訪問医療の連載記事が朝日夕刊に出ている。そして初期の劇団態変の役者として、電動車いすでタンゴを踊り強烈な官能美?を披露した柏木正行さんの素敵な笑顔の写真が出ていた。
 これから在宅医療を必要とするとなると今住んでるところより東淀川区や西淀川区が充実度がよさそうだ。
 そこで引越しすることに決めた。嫁の行く作業所は北区天満、実家が天満橋から徒歩5分なのでその点も考慮しないと。

 金さんからアドレスを知らせてもらった訪問医療施設の情報が得られた。
 数年前まで、そのホームケアクリニックに勤務していて近年、開業された医師の紹介である。
 電話のやり取りの結果、今日の午後に、そこの看護士さんが福森宅を訪問して実情を詳しく尋ねに来られることになった。まずは一歩前進でありがたい。こういう情報の得やすい立ち居地に暮らす私というものを改めて感謝だけでなく、情報の活性化への責任も発生していることの自覚がややもすると薄れがちだ。
 情報を眠らせておかないということが大事と思うのだった。

 久しぶりに研究所をうけてからだの動きが違うことが自覚して、ここ数年、壁のようなものを無いのにあると思い、それに邪魔されていると感じていたものだったが、前後左右上下と気にもならずに動けていたのでないか。そんな解放感が自分のどこかに芽生えてきたようだ。
 30分ほどの動きの間だったが、これまでと違う感触が探れたことがうれしい。
雨の中をやってきた甲斐があった。



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