劇団態変第57回公演

虎視眈眈



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虎視眈眈、という思考の循環を辿って

 大きく2点の動機
 今どういう時代に生きているのか、そういうリアリティをこの『虎視眈眈』で描きたいと思た。
 とにかく生命なのだ。生命の本能を肯定する自然の力を謳歌するのに私にとって、身障者の身体は 打って付けだと思う。

 原発の爆発で、安全神話の嘘が明るみになったという現実は、人間の創りあげてきたこの文明社会の方向が、根底から揺らぎ始めているということ。
 自然の支配者として我がもの顔で傲慢に振舞ってきた人間が、引き起こした失敗へ、自然から制裁を受ける日はそう遠くない。
 人間の進歩や開発といった一方向でしかない、世界を作り上げてきた、文明という名の蜃気楼。その裏で支配された側の、自然の本能や野生や生命態の循環法則が、息を吹き返し柔な文明の蜃気楼が泡と消える時がくる。
 宇宙からすると、地球という星は人間の世界を飲み込んで、星として自然であれば良いだけだ。
 宇宙の法則からすると、人間の世界があろうとなかろうと、問題ではない。
 その宇宙も、常に両極に大きく別れ、その綱引きで成り立っている。

 人間にとって最も身近な両極とは、女と男という性である、としたら。人間世界のこの綱引きを強くすれば、人間が自然へもっと同化かできる手だてがあり、宇宙の一部になれるかもしれない。

 それには幼子の眼差しの普遍性が大事なような気がする。
 私は、そんな遊びの心を取り戻し、楽しんでこの作品を作り上げた。
 悲劇でも喜劇でもなく、実直に穴蔵からの外を、虎視眈眈と…‥‥、見ようとして。

2012.9.28  金滿里




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虎視眈眈

《シーン題名》
第1場面
1.闇と金色
2.気炎
第2場面
摩天楼
第3場面
電車楽隊
第4場面
愛の狭間に
第5場面
破壊
第6場面
覚醒へ
第7場面
天地創造
第8場面
透明な世界
第9場面

《楽曲》
第2場面
雨に唄えば("Singing In The Rain" performed by Gene Kelly)
第4場面
Tabula Rasa - 1. Ludus(Arvo PÄRT)
第5場面
Tabula Rasa - 2. Silentium (Arvo PÄRT)

※全てJASRACの承認を得て使用



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