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1994/3/24記者会見での大野一雄の発言の概要
【大筋】
大野さんの話の切り出しは、28歳の元旦の白昼夢体験のことからだった。
〜天から天のかけらが降ってきた。星のかけら? 巨大なもの、微細なもの、ごみ、芥。
ぶつかり、蒸発した水分が地球をとりまく。
〜生命誕生。
ぶつかることが、人を愛する出会い。愛が燃焼する。ぶつかってぶつかって返ってくる。それが愛の始まりだ。 ぶつかってぶつかって生命が誕生する。〜これは宇宙論的体験だ。
〜生命の始まり(NHKのTVで見た)億単位の精子が〈狂気〉で(〈狂気〉の沙汰としか言えない;〈狂気〉がなければ駄目だ…)たった一つの卵子に殺到する。卵子が激しく回転する。
生と死。生の中に死が在る。子どもが育つことは、母親の命を削ることだ。最後に羊水(母親の命そのもの)を飲んで、生まれて来る。
〜生と死、愛、・・・には触ることが出来ない、頭で理解できない。しかし真実に触れたいと強く願う。
宇宙の履歴書と人間の履歴書を重ねるということを考えている。重なると思う。
宇宙記憶、生命記憶 というものがあり、みんな、ちゃんと記憶している。生命の原点にかかわるものをちゃんと記憶している。
〜感情として〜
宇宙論に続いての魂の学習ということばを用いねば私の踊りは成立しない。
考えることより、命と命のぶつかり合いが大きな位置を占める。
【即興とは?】
例えば、遊女の踊りの中に天女の踊りが成立するような一瞬がある。(そんな意図がなくても・・・) いよいよ何かの時に重なる。そういうのが即興だ。
天地創造から何億年、必死になって生きてきた。その中でこのような姿になり、このように動く、その中の瞬間、それを大事にしながらやるのが即興である。
生きてきた証しとして骨身から削りだしたものが、即興。何気ない一歩一歩に人生の愛の全てを込める。
【態変のこと】
(ワークショップで出会って...) 「自分達は、一体何をやって来たのだろう」と思った。よくここまで頑張ってこられた。(注:障害を克服して、という意味では全くなかったと記録者は思うのですが・・・)
ビデオも見て、すごく良いところもあるし(顔を洗うところとか…)、まだまだのところもある。
【脈絡をつかみそこなったが、気になることばがいくつかあった】
*デタラメの限りを尽くして生まれてきたのだから、デタラメの限りはデタラメじゃないのです。
*自立するとは、命を大切にする事だ。
(以上、採録責任は仙城真)
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態変には〝速さ〟がある
演劇や舞踏の紹介業を長年やってきた私だが、 アングラ育ちの性なのか、
どうしても〝よくわからないモノ〟に魅かれる。よくわからないのだが、不思議な〈力〉がある舞台が好きで、 内容はチンプンカンプンなのだが、きらめくワンシーンがあったりすると、そこから舞台全体を逆展開させてみたりする。これを私は〝一点突破・全面逆展開観劇法〟と呼んでいるのだが、最近は1+1はやっぱり2というような、予定調和的なわかりやすい舞台が増えて、中々、突破する一点がみつからない。
唐十郎、そして野田秀樹に代表される日本の現代演劇の特徴は一つにその個有の〝速さ〟にあった。唐や野田の芝居は、複雑なストーリーがコトバと肉体の〝凄まじい速さ〟でもって語られる。観客は速さに面くらいつつも、そのうち、自分の速さ (感性) に合った一点をみつけだす。観客それぞれが、想像力の糸を紡げるように物語の糸口があちこちに用意されているのだ。大切なのは、表現者が自分たちだけの〝速さ〟を持っているか、ということだ。
態変は物理的な速度で云えば、確かに野田秀樹にはかなわない。だが、彼らが全存在をかけて、這いまわり、うごめき、立ち上がる様は圧倒的に速い。それは夜空を疾る星の速さのように、みる者の心にやきつく一瞬の速度を持っている。「指一本動けば、自らと、そして宇宙を表現できる」という彼らの明確な意思が極限まで体を動かし、舞台に流れる態変個有の〝速さ〟を生みだしているのだ。
昨年の「天」 3部作の成功で、 態変は「障害者たちが演劇をする」というもの珍しさ、目新しさから確実に脱却したように思う。金満里の視点の確かさ、構成力の巧みさによるところが大きいが、何より、態変の人たちが〝役者〟として積極的に立ち始めたことが大きい。みんな、舞台の上で実にいい顔をしている。
舞踏的と評されることの多い態変だが、もう
的はいいだろう。いい顔をした役者たちが文字通り体を張って繰り広げる態変は、「舞踏」とか「演劇」という呼称を飛び越して、世界で唯一無二の「態変の世界」なのだから。
小堀 純