作・演出 金満里
photo: Kohji Fukunaga (Studio Epoque)
郷里の起伏に富んだ自然のように、激しく優しく
革命の夢と愛を抱え持ち、異国での死を選んだ潜伏の旅
そこで見ようとした、男の、見果てぬ夢とは
シリーズ「男は旅に出た」第二弾
時は第二次世界大戦下、激動の時代にありながらも、活き活きと互いに行き交う人々の交流がありました。命懸けの革命と芸術の交流を果たしたファン・ウンドもその一人です。
一人の男の夢と愛
壮大な叙事詩ともいえる潜伏の旅を描きます
実在した人物、ファン・ウンドは、歴史に翻弄され抗いながらも、その足跡は朝鮮と日本に跨がり、夢と愛を民衆に訴え、本物の朝鮮古典民族芸能の魂を革命として届け続けた人です。
国家や軍隊が作ってきた、歴史の表舞台としては決して語られることのなかった1ページ。ファン・ウンドを通して、一個人の志としての民衆同士の共鳴が確かに作り上げた歴史の裏側に焦点をあてる意欲作としたいと思います。
壮大な叙事詩ともいえる物語を態変の抽象身体表現にのせ、あるときは優雅な古典民族の調べに舞い、あるときは身体と道具のコラボレーションとして、具体的でもあり抽象的でもある態変独自の縦横無尽な野外の舞台にしたいと存じます。