態変は、身体障碍者の身体表現を芸術として創出しようとする。
障碍を否定的にしか価値付けない方向性を内包するこの文明の中にあって、
態変の営為は、常識を覆す先端的な創造を果敢に展開することに他ならない。
美意識、世界観、人間観を根源的に揺さぶるまでの芸術の革新を我々は志す。
態変の表現は人間に対する価値判断の一次元的な軸を否定する。
人間の身体に対する限りない信頼、個々の存在の絶対肯定に立って、
人間存在を画一化へと方向づけるすべてから、身体、そして人間を、解放せんとす。
そして、多様な偏差の豊かさ輝く身体芸術を創出し提示し続けていく。
態変の進む芸術革新の道は、既存の枠組みを超克して進もうとするので、
従来、芸術とは無縁だと排除され疎外されてきた人々の中に、
大いなる鉱脈を掘り当てる。
内発的必要として芸術への機会を奪い返そうとする人たちをこそ、
先端的な創造の現場へいざないたいと、態変は志す。
そのような参加が芸術のフロンティアを押し拡げ、
芸術への参加が我ら自身のフロンティアを押し拡げる。
態変は、培ってきた技術を駆使しそのような現場を積極的に作っていこうとしている。
障碍者の自己認識、自己受容、そして自立、を契機として成立した態変の芸術は、
翻って自立を確固と基礎づけするものとしてある。
真の自立は、めいめいが自らの存在の奥に有る宇宙を感じ取ることに基礎を置く。
身体を手かがりに宇宙を引き寄せ、生きることの意味を確認する場として、
態変の身体表現芸術はある。
このように、態変は生きていくことのために欠くことのできない芸術を志向する。
それは同時に、人間の存在の概念をも変える革命である。