一世一代福森慶之介

又、何処かで


一度きりの公演となった『一世一代福森慶之介 又、何処かで』。

劇団旗揚げ以来の古参役者・福森慶之介は、2011年9月の韓国公演の頃より右腕の不自由を主体とした体調不良が目立ち始めていましたが、精査の結果右上肺部分に腫瘍が見つかりました。高齢であることもあわせて身体表現がいつまで続けられるかという懸念から、急遽本作品の上演が決まりました。
これが最後の公演になるかもしれないとの覚悟を決め、「福森ここにあり、というような、こういう役者もいた、と人々の記憶へ食い込むような、そういう演技をもう一回観せておきたい」という本人と金滿里の想いから、「一世一代福森慶之介」と銘打ち、緊急企画公演として行いました。
福森慶之介の身体表現の真価を存分に発揮するとともに、劇団態変のその後の舞台表現の幅に決定的な影響を与える大きな作品となりました。

無事に舞台を務め終えた35日後、福森慶之介永眠。


福森慶之介:
1937年生まれ。
11歳で脊椎カリエスに罹患、背骨の湾曲と右膝の障害により歩行困難となる。
16歳で病状が悪化、家で寝たきりの状態が16年間続く。
元気になって35歳で大阪府立桃谷高校(通信制)入学。障害者の学習権保障運動に没頭。 詩人として、フルート奏者として、芸術活動を続ける。
46歳で劇団態変の旗揚げ(1983年)に参加し、以降金満里ソロを除く全作品に参加した。
2012年3月11日死去(74歳)。


» 上演データ |  » 舞台写真  | » 文書資料 | » 公演の経緯 | 公演資料庫へ戻る