photo by Kohji Fukunaga (studio epoque)
抹殺と再生・破壊と創造の、
目に見えない消えた、確かにある連鎖。
抹殺から命からがら逃げてきた、遠く遠くへ逃げてきた。
抹殺される側であるために、その儚さも美しく燃える命。
流転流転の逃げ延びるためだけの本能を隠し、
抹殺のせいにしてきた。
抹殺へ向わしめるのは、
何を隠そう、曖昧な我の笑み自身。
日本に実在した身障者コンミューンであるマハラバ村をモチーフに、その史実からは大胆に離れ、世界の片隅より放射され人間本質を貫く光を示す象徴的身体表現として創造する。
その土地に、抹殺から命からがら逃げてきた者たちがたどり着いたところから物語は始まる。質素に、堅実に、共同体としての歩みを進め、村人たちは命あることの喜びを謳歌する。世界の片隅の村に訪れる者は不思議な放浪の物売りだけ。そして時折忍び寄る不穏な鉄音。ある時、その鉄音が村の中心で止まり、村人たちは世界を、自分たち自身を知る。
これは世界の片隅に孤絶した一つの小宇宙の創世記であり、排除に裏打ちされた文明に対する黙示録でもある。