【重要なお知らせ】
「イマージュ」89号に誤記が見つかりました。お詫びと訂正をさせていただきます。詳細は
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vol.89 2024年夏号
巻頭対談 「残酷さの増殖するこの世界で対話をあきらめない」
7.26施設障碍者大虐殺事件から8年。ガザではジェノサイドが進行中だ。その人たちを生きるに値しない命と勝手に決めつける、相手のことを「ヒューマン・アニマル」と言ってはばからない、そんなふうに誰かの存在を全否定してかかってくる者たちに、われわれはどう向かっていくべきか。論破を試みても虚しそうだが、「お前たちこそこの世から消えろ」と存在否定の応酬に陥るのはもっと救いがない。どんな相手をも世界の豊かさを共に創っていくパートナーとしていく途はないものだろうか。「人類の会話のための哲学」を追究している哲学者との対話を試みた。
特集 態変『ヴォイツェク』
『ヴォイツェク』は1835年頃にドイツで書かれた未完の戯曲。23歳の若さで亡命先で病死したゲオルク・ビュヒナーの遺稿が40年後に発掘され化学処理で解読されたという執念じみたいわくがあり、実在の殺人事件の精神鑑定を基に創作された、「現代不条理演劇のルーツ」と呼ばれる作品である。
態変はこの作品を台詞抜きの抽象身体表現にて2013年に上演、あの相模原施設障碍者大虐殺事件の2016年に再演、そしてガザにおけるジェノサイドを世界が座視し見殺しにしているこの2024年に3度目の上演をおこなった。
この上演を俎上に、多角的視点からおこなわれたアフタートークは、一つの舞台作品という枠から飛躍して拡がる興味深い内容となったため、ここにその記録を紹介する。
クロスオーバー談義●朱喜哲×金滿里
残酷さの増殖するこの世界で対話をあきらめない
[特集] 態変『ヴォイツェク』
[アフタートーク ]
シモーヌ深雪×金滿里 幻惑や異端、変なもの、妖しいものこそ
姜信子×金滿里 床を踏み抜いて踊れ 踏み抜けば世界が変わる
くるみざわしん×金滿里 人間の憎しみと愛、どっちが人間の本質なのか
[劇評] つぼの中 いのりの雨が降る ………………………………由上由美
[論評 『ヴォイツェク』・金滿里WS] それは革命なのだ ………赤坂真理
7.26施設障碍者虐殺8年目の追悼アクション
〜一人一人の問題として〜 ………………………………… 佐藤菜月
相模原障碍者大虐殺事件に対するイマージュ声明
人倫の奈落・ガザをめぐる往復書簡 ……………………金滿里×岡真理
[連載]
ことばとからだ(10) 動物園か演芸場か ………………………西成彦
[大野慶人の言葉 第11回] 舞踏家・大野慶人とともに(3) …… 大野圭子
[イラスト&エッセイ] 伊祖から届く風 36 …………………… メラミキコ
[金滿里のページ] 19名の命、をかえせ …………………………金滿里
紅い縄の誘い 〜 Basket感想〜 ………………………………… 内田陽子