近日刊行 vol.88 2024年春号
特集「ガザ」
今ガザ地区でなされている事態。封鎖して逃げ場を無くして子どもだろうが赤子だろうが誰かれかまわず攻撃を加え、食糧・医療をはじめ生活基盤にも破壊を進め、イスラエル極右政権はまるでパレスチナ人の皆殺しを企図しているかのようだ。この人道犯罪を国際社会は実質的に黙認してしまっているかのようで引き裂かれる。せめて発信を、ということでこの特集を組むこととした。
巻頭対談では、ホロコーストという底知れぬ被害を受けたユダヤ人が、ガザではあのような凄まじい加害をおこなうとは、一体どうなっているのか。この疑問から、ユダヤの思想・文化の研究を続けてこられた赤尾光春氏に対談をお願いし、この捻じれの解明を試みた。
かつて本誌62号(2015年)にご登場のパレスチナ問題の第一人者・岡真理さんから、今回のガザの事態を我々はどう理解すべきかをご教示いただこうとしたが、今の情勢の中さすがに超ご多忙で、メールのやり取りでなら、というかたちで金滿里との往復書簡が実現した。
[特集] ガザ
クロスオーバー談義●赤尾光春×金滿里
ユダヤの精神性とガザでの暴虐 ーこの捩れは何処から
人倫の奈落・ガザをめぐる往復書簡 ……………………金滿里×岡真里
声になりたい ……………………………………………… 齊藤ゆずか
パレスチナと私たちを接続させるもの
― 植民地主義の暴力に抗するものとして ……… 車秀子
映画を通してパレスチナに出会う
― 虐殺に抗う市民行動としての上映会 ………… 戸田ひかる
平和の壊し方、あるいは世界をゆがめる技法 ……………… 仙城真
[連載]
[大野慶人の言葉 第10回] 舞踏家・大野慶人とともに(2) …… 大野圭子
[イラスト&エッセイ] 伊祖から届く風 35 …………………… メラミキコ
ことばとからだ(9) 囚われ、囲われ …………………………… 西成彦
[酒と食いもんのエッセイ](14) 玄界灘を泳ぎ渡った鯛と鱈 …… 内田陽子
相模原障碍者大虐殺事件に対するイマージュ声明